May 2023
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老舗の焼く鯛の形のお菓子「鯛焼き」
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お店の前で微笑む『浪花家総本店』の店主・神戸将守さん
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専用の焼き機(焼き型の鋳型)の中に、皮の材料を手早く流し込む様子。(この焼き機で一つずつつくる) -
およそ110年前に現在の浪花家総本店を創業した、神戸将守さんの祖父、神戸源治郎さん(後列左)(神戸将守さん提供) -
『浪花家総本店』姉妹店の100年ほど前の開店の様子。(神戸将守さん提供)
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鯛の形をした日本の伝統的な焼き菓子「鯛焼き」について紹介する。東京にある海外の客も多数訪れるという老舗の鯛焼き屋の店主・神戸将守(かんべ まさもり)さんに、鯛焼きについてお話を伺った。
「鯛焼きは、専用の型に小麦粉を氷水でさくっと溶いた衣を流し込み、間にあんこをはさんで焼き上げた食べ物。皮はぱりっとしていて、海外の方にはクリスピーなクレープに近い食感というといいかもしれません」
そう教えてくれたのは、麻布十番に昔からある『浪花家総本店(なにわや そうほんてん)』の店主・神戸将守さん。110年以上も続く伝統の味で、多い日には1日2000個を売り上げるという。
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4代目である神戸さんによれば、鯛焼きは初代が20世紀初頭に考案したお菓子だったという。
初代は兵庫・神戸出身。兄弟2人で商売を開始し、それが「鯛焼き」屋のもととなった。1909年に、兄、弟それぞれ都内に店を出し、浪花家の鯛焼きは大ヒット。一時期は都内に150軒ものフランチャイズが出店していたという。
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「その頃、明治時代(1868年~1912年)当時は、結婚式の引き出物として鯛の姿焼きが入っていたり、贈答品だった砂糖菓子が高級魚でめったに食べられない鯛をモチーフにしていた時代。思うに、昔の日本人は今より鯛に憧れがあったのだと思う。商才のあった初代は、〝1個1銭で鯛が手軽に買える‴という発想から鯛の形のお菓子を考案したのではないか。1銭は、今で言えば、まあ、200円くらいの感覚と思います」
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日本人が憧れる鯛の形をした皮に、あんこを詰めた大衆向けの焼き菓子は、110年以上続く伝統の味として現在も受け継がれている。
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「浪花家は、中に詰めるあんこにこだわっている。豆ならではの香りや食感、風味を大切にしているので、毎日、店で炊いている自家製を使用している」
また、他店と比べると皮が薄くぱりっとしているのも特徴だそう。
「あんこの味を心ゆくまで楽しんでいただけるよう、うすい皮にしている。日本を訪れたら、ぜひこだわりの味を楽しんでもらえたらうれしいです」
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