March 2022
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令和4年(2022年)歌会始御製御歌及び皇嗣殿下のお歌
歌会始の儀における天皇陛下(中央)、皇后陛下(中央右より)及び秋篠宮皇嗣殿下(中央左より)並びに皇族方 2022年1月18日に開催された歌会始の儀

宮中の年中行事である「歌会始の儀」(注1)が、今年(2022年)1月18日、皇居・宮殿「松の間」において催されました。その際、披講(注2)された、御製(ぎょせい。天皇陛下がお詠みになった和歌)、皇后陛下の御歌(みうた)及び秋篠宮皇嗣殿下のお歌を紹介します。
お題については、歌会始の儀をお催しになる天皇陛下がお定めになります。今年のお題は「窓」とされました。

御製
世界との往き来難(がた)かる世はつづき窓開く日を偏(ひとへ)に願ふ
天皇陛下におかれましては、昨年に引き続き新型コロナウイルス感染症の感染拡大の収束を願うお気持ちを歌に詠まれました。昨年は、人々の願いと、人々がこの試練を乗り越えようとする努力が実を結び、感染症が収束していくことを願われるお気持ちをお詠みになりました。(注3)今年は、このコロナ禍が収束したその先に、今大きく落ち込んでいる世界との人々の往来が再び盛んになる日の訪れを願われるお気持ちをお詠みになりました。
皇后陛下御歌
新しき住まひとなれる吹上の窓から望む大樹のみどり
天皇皇后両陛下並びに愛子内親王殿下ご一家には、昨年の九月、それまで長くお住まいになりました赤坂御所から、上皇上皇后両陛下が一昨年まで長年お住まいになりました吹上御所に御移居になりました。この御歌は、吹上御所に新たに御移居をされた皇后陛下が、上皇上皇后両陛下への感謝のお気持ちを新たになさりながら、大きな木々の緑深い御所からの眺めをお詠みになったものです。
皇嗣殿下のお歌
窓越しに子ら駆け回る姿を見心和みてくるを確かむ
COVID-19の感染拡大に伴い、多くの学校で分散登校や遠隔授業が行われていた時期がありました。また、部活動を思うように行うことができない時期も長く続きました。
秋篠宮皇嗣殿下は、毎年講義を行われている大学の建物から見える学校の児童生徒が、校庭で元気に過ごしている姿を目にされ、そうした時期のことを思い起こされながら、一時(ひととき)の安心感を覚えられたそうです。
出典:宮内庁ホームページ「令和4年歌会始御製御歌及び詠進歌」 https://www.kunaicho.go.jp/e-culture/pdf/utakai-r04.pdf
注記: 本記事は宮内庁の了解の上、同庁の公表資料に基づき作成している。
(注1) Highlighting Japanの2021年6月号(157号)を参照: https://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/202106/202106_09_en.html
(注2) 歌会において一定の作法によって和歌を読み上げ、歌うこと。
(注3) Highlighting Japanの2021年6月号(157号)を参照: https://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/202106/202106_09_en.html