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  • 香川県小豆島の小豆島オリーブ公園から、風車越しに臨む瀬戸内海
  • 日本で生産量1位を誇る小豆島のオリーブ
  • 奇岩と崖地で創り上げられた寒霞渓の絶景
  • 手延べそうめんの天日干し
  • 小豆島でハンバーガー店を営むキャロル・ディビッドさん

November 2021

オリーブと醤油の島

香川県小豆島の小豆島オリーブ公園から、風車越しに臨む瀬戸内海

日本最大の内海「瀬戸内海」には大小約 700 の島々がある。その一つ、美しい景観を誇る小豆島は、醤油とオリーブの一大産地として知られている。

奇岩と崖地で創り上げられた寒霞渓の絶景

香川県の小豆島は、瀬戸内海では兵庫県淡路島に次いで2番目に大きな島。一周100キロメートル余りの島に約2万6000人(2021年9月現在)の人々が暮らしている。小豆島と島外を結ぶ主要交通手段はほぼ船のみで、香川県高松港からフェリーで約1時間、高速艇だと約35分で島に着く。

小豆島観光協会事務局長の塩出慎吾さんは、「小豆島は、古代から海上交通の重要な寄港地として栄えてきました。美しい海はもちろん、島内には、奇岩と崖地が絶景を創りあげ、日本でも有数の渓谷美を誇る寒霞渓、瀬戸内海で一番高い標高817メートルの星ヶ城山(ほしがじょうさん)もあり、大きな島ならではの豊かな自然が魅力です」と語る。

その小豆島の主要産業の一つに、17世紀前半から続く醤油造りがある。醤油の原料となる塩の生産が盛んなこと、大豆や小麦などの原料も耕作規模が小さいものの海上輸送により入手しやすかったこと、商業地である大阪への製品輸送がしやすかったことなどから一大産地になったと言われる。そして、現在でも多くの醤油蔵で昔ながらの木桶を使った伝統製法で醤油を造っている。

「現代のステンレス製などのタンクと違い、木桶仕込みの醤油は蔵に棲みつく酵母菌などの微生物が入り込むため、まったく同じ造り方をしても、蔵ごとに違う味わいが生まれます」と塩出さんは説明する。

そのほか、特産の醤油を使って昆布などを炊いた“佃煮”、小麦、塩、ごま油、水だけでつくられる伝統的な極細の乾麵 “手延べそうめん”も小豆島の特産品である。

手延べそうめんの天日干し

もう一つ、今の小豆島を代表するのが、20世紀初頭に栽培が始まったオリーブだ。この地域は比較的雨が少なく、年間平均気温15度と温暖でオリーブ栽培に適し、現在では日本産オリーブの生産量1位を誇り、島は“オリーブの島”とも呼ばれる。約2000本のオリーブが植えられたテーマパーク「小豆島オリーブ公園」には、姉妹島のギリシャ・ミロス島との友好の証として建てられた白い風車が立つ。オリーブ畑の緑、青い空と青い海原がとても美しい、島内随一の人気スポットだ。

小豆島産オリーブの最大の特徴は、「実が完全手摘みであること」と塩出さんは話す。

日本で生産量1位を誇る小豆島のオリーブ

「狭い傾斜地を利用して育てているため、作業を機械化できず、一つ一つの実を手で摘んでいます。そのため、実が傷つきにくく、よい実だけを選別し、フレッシュなうちに島内で絞るため、高品質なオリーブオイルに仕上がります。特産の手延べそうめんをオリーブオイルと塩で食べるのもおすすめです」

こうした魅力の多い小豆島には、都会を離れ移住する人もいる。その一人が、オーストラリア出身のキャロル・ディビッドさんである。ディビッドさんは2016年に日本人の妻と来日後、中部地方の中心都市、愛知県名古屋市で英語の教師をしながら暮らしていたが、休暇で訪れた小豆島に魅了され、2019年に夫婦で移住した。「小豆島が、非常に美しい島だったので移住を決めました。一つの小さな島で、美しい森や山、澄み切った海など、自然の美を堪能できるのです」とディビッドさんは話す。ディビッドさんは島でハンバーガーレストランをオープン、今や地元の人や島を訪れる人の人気を集める店となっている。その忙しい仕事の合間をぬって、趣味の釣りやバイクツーリングも満喫している。「自然が豊かで、食べ物も美味しい。人々も親切です。ここでは、とても理想的なライフスタイルを送ることできます」とディビッドさんは話す。

小豆島でハンバーガー店を営むキャロル・ディビッドさん

穏やかな気候の中で、海や山、そして食も楽しみたい。小豆島は、そんな人にはうってつけの美しい島である。