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長年働くシニアが元気に大活躍!北海道の大人気お菓子メーカー

北海道を代表する菓子メーカーのホリは、従業員の1割以上がシニア世代である。風通しの良い社風や機械化による負担軽減が「長く働きたい」という従業員の意識を喚起し、同社の労働力の確保や業績アップへとつながっている。

株式会社ホリは、主力商品の「夕張メロンピュアゼリー」が道内のお中元ギフト13年連続1位を誇り、1991年に同社が設立した「北菓楼」も北海道素材を生かした「北海道開拓おかき」やシュークリームなどが道内外問わず大人気である。グループ全体の売上高はなんと約100億円に達し、まさに順調に成長を続けている。
同時に、日本労働市場の主流であった終身雇用が減少傾向にある中で、ホリでは定年後も働き続ける者が多く、従業員の1割以上が60歳を超える。

堀安規良社長は「元気だから仕事をしているのではなく、仕事をしているから元気だというのは私自身もつくづく感じます。働くことが生きがいになると思っているので、従業員には定年後も長く勤めて欲しいと言っています」と語る。

シニアが生きがいを感じながら働くには『働きやすさ』が重要な鍵となってくる。同社の施策として、まず挙げられるのがロボットの導入である。「働く従業員の負担を減らしたいというのが大きな理由でした」。力仕事や単調な仕事をロボットが担当することで身体への負担を軽減させつつ、味に関する重要な工程や最終チェックは人の手で行うのがホリ式。ロボットはあくまでも働く人のサポート役となっている。

働きやすさの秘密はハード面だけではない。社長自らが工場や農場に赴き、一人一人に「元気か、体調はどうか」と話しかける。全従業員の名前から誕生日まで把握し、当日にはお祝いのケーキまでプレゼントするというから驚きである。さらに、毎月全従業員から集める意見・要望表には、社長自ら手書きで返事までするという。その他、勉強会やお花見会、社員旅行などにより社内全体の一体感を醸成しており、そこにはアルバイトや社員、性別、年齢による差を付けない。このような取り組みや姿勢が「長く続けたい」という思いにつながるのだろう。

ホリは、お菓子の原材料を作る農業生産法人も運営している。そこで働く同社最高齢の斎藤正夫さん(80歳)は「働くことに喜びを感じている。元気なうちは働き続けたい」と語る。また、ゼリーなどの加工工場で勤務する窪田裕子さん(67歳)も「朝から晩までびっしり働いていますが、やりがいを感じています。働ける限りはここで働きたい」と生き生きと語った。

「お菓子には表情がある。おいしいものを作ろうという気持ちで作っているのとそうでないのとではまったく変わってくる」。堀社長がそう語るように、従業員が楽しく意欲的に働いているからこそ、ホリのお菓子はこんなにもおいしく愛されてやまないのだろう。

堀社長は「今後も設備投資をして、長く仕事ができるような環境にしたいです。そして、健康を考えたお菓子を作っていきたい。会社もお菓子も働く人も健康でありたいですね」と今後の展望を語った。

シニアの方々がやりがいを持って活躍できる環境があり、長く働き続けることで会社や商品への愛情が深まり、より良い商品へと結び付く。まさにシニアを雇用することが会社の成長につながっていることを、ホリは教えてくれている。