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Highlighting JAPAN

慶良間諸島:驚くべき座間味

34ヶ所が指定されている日本の国立公園を紹介するシリーズとして、沖縄の慶良間諸島国立公園を訪ねた。

大型海洋フェリーが西から慶良間諸島の座間味に迫ると、驚いたトビウオの群れが海面すれすれに泡を立てる。沖縄本島・那覇のフェリー乗り場から、途中阿嘉島へ立ち寄る、2時間の船旅である。

無人島と澄み切ったビーチを背景に、ツアー客は、日よけ帽子を吹き飛ばされそうになりながら甲板で爽やかな風に吹かれて自撮りを楽しんでいる。その下ではこの航路の常連客がカーペットの上でぐっすり昼寝している。

座間味島は、沖縄の離島として20あまりの島々からなる慶良間諸島の4つある有人島の1つで、隣のより大きな渡嘉敷島とともに2つの地方自治体の1つを成している。その座間味島の海岸、珊瑚礁と青く澄んだ海が慶良間諸島国立公園の一部を構成している。

島の港の村は小さく、狭い道は、徒歩の方が心地よく通り抜けられるが、島の24キロメートルの海岸線全てを回りたい熱心な旅行者には、バイクや軽自動車を借りるのがお薦めだ。その場合、フェリーと家族経営の民宿と同じように、到着前に予約しておくのが良い。

車を使えば、座間味のどの地点からでも、あっという間に展望地点にたどり着き、「慶良間ブルー」として有名な青々とした海、白い砂の向こうに連なる青々とした島々の素晴らしい景色を眺めることができる。

いくつかある展望ポイントへ続く、熱帯植物が青々と茂るなだらかな坂道そのものは、座間味の旅を楽しむ重要なポイントになる。

しかし、多くの人が世界的にも有名なダイビングスポットの一つである慶良間諸島に来るのは、広範囲にわたる珊瑚礁の海に没頭できるほど近いためである。1000種以上の途方もない数の魚たちの中で、ウツボ、ピグミーシーホース、イソマグロとマンタが400種の珊瑚に生息している。

シュノーケリングを楽しむ人たちは、岸の近くの浅瀬を進むと、突然サンゴ礁に生息する無数の色鮮やかな魚たちが目の前に現れて、自分たちも既に海底の天国のような場所にいることを知る。なかでも最もワクワクするのは、満潮時には岸からほんの数メートルのところをウミガメが泳ぐ阿真ビーチである。ウミガメに事故や危険がないように、監視員がシュノーケリングを楽しむ人々に注意を促している。

阿真ビーチは、他のいろいろなマリンスポーツと小旅行の出発点でもある。この穏やかな海は、年齢も海の経験も問うことなく、すべての人々にカヤックの魅力を提供している。最長6時間の素敵なカヤックの旅はケラマカヤックセンターで手配できる。

座間味島からの水の流れは、見かけによらず速い―これは珊瑚が豊富であり海がきれいな理由にもなっている。 よって、安全面の理由から公認カヤック・ガイドが常に必ずカヤックツアー参加者に同行することになっている。

手漕ぎ、あるいは手漕ぎと帆を張って走行する四人乗りカヤック、ホビー・トリマラン(三連胴体艇)は、滑らかでスピード感あふれるカヤックに代わるものとして気楽に楽しめる。

また、スタンドアップ・パドルボーティングは、座間味の海でツアー客が楽しめるもう一つのウォータースポーツである。一方、海岸から遠く離れて海釣りをする人は巨大なキハダマグロやマカジキを釣り上げられるかもしれない。最近の素晴らしい釣果の写真が島の釣り具店に掛けられている。

12月から4月にかけての冬季間、ザトウクジラが子育てのために、座間味の温かい海に戻ってくる。

ベテラン探鯨員は観測所からクジラを見守りながら、海上のホエールウォッチング船にクジラの場所を伝える。島民はクジラの尾びれのパターンを記録し、毎年同じザトウクジラが座間味に戻ってくると報告している。

沖縄本島に戻るフェリーで髪に潮風を受けながら、この美しい島を出発するツアー客は戻りたいという衝動にかられるだろう。