Home > Highlighting JAPAN >Highlighting Japan April 2015>キッズ・コーナー

Highlighting JAPAN

previous Next

キッズ・コーナー

はなさかじいさん(仮訳)




むかしむかし、やさしい爺さんと欲張りな爺さんが隣同士で住んでいました。

ある日、やさしい爺さんが畑を耕していると、欲張り爺さんが「こら!人の畑に入りよって!」と怒鳴る声が聞こえてきて、小さな犬が逃げてきました。やさしい爺さんは、「どうか、許してやってくれんさい」と欲張りお爺さんに頭を下げて頼み、その犬を飼うことにしました。やさしい爺さんに大切に可愛がられて犬はぐんぐん大きくなりました。

ある日、犬が裏山で「ここ掘れワンワン」と吠えるので、やさしい爺さんがそこを掘ってみると、小判がたくさん出てきました。それを見ていた隣の欲張り爺さんは、こっそりと犬を引っ張って無理やり裏山へと連れて行きました。犬が疲れて倒れた場所を掘ると、蛇や化け物が出てきたので、怒って犬を殺してしまいました。

やさしい爺さんはたいそう悲しみ、犬の墓をつくり、すぐ傍に小さい木を植えました。するとその木がぐんぐん大きくなり、やがて「臼にしてくれ」と言うので、木を切って臼にして餅をついたところ、餅が小判へと変わりました。それを見た欲張りな爺さんが、無理やり臼を奪って餅をつくと、餅は黒い炭になり、バチンとはじけて欲張りな爺さんの顔を真っ黒にしました。怒った欲張り爺さんは、臼を粉々にして釜戸で燃やしてしまいました。

やさしい爺さんは悲しみに暮れ、臼を燃やした灰を集めて畑にまこうとすると、風が吹いて灰を吹き飛ばしました。すると、枯れた木々が光り出して美しい桜の花を咲かせたのでした。喜んだやさしい爺さんが、残った灰も枯れ木にかけると、あたり一面が満開の桜となりました。その話を聞いた殿様がやって来て、枯れ木に見事な桜の花を咲かせる様子を見て喜び、やさしい爺さんにたくさんの褒美を授けました。

それを見ていた隣の欲張りな爺さんが真似をして枯れ木に灰をまいたところ、灰はそのままお殿様の頭にかかり、怒ったお殿様にとうとう牢屋へ入れられてしまいました。




日本の桜にまつわるお話

やさしい爺さんが咲かせた桜は、日本の春の風物詩といえる花です。年間を通して温暖な気候の沖縄県で1月中旬から3月初旬に咲き、3月下旬になると日本の南から北に向かって順番に開花していきます。最北に位置する北海道の桜が咲くのは5月に入ってから。その間、テレビや新聞でも各地域の予想開花日がたびたび取り上げられ、日本人は自分の街にいつ桜が咲くかを心待ちにしています。

桜が咲くと、日本では会社の同僚や友人同士で桜の木の下に集まり、食べ物や飲み物を持ち寄って、「花見」と呼ばれる宴会をします。この風習の起源は、奈良時代(710年~794年)にまで遡るといわれています。

ピンクや白の美しい桜の花が咲き乱れ、幻想的な世界を作り出す日本の春。あなたもいつかこの景色を見に日本を訪れてみませんか?

 

 



previous Next