Home > Highlighting JAPAN >Highlighting Japan July 2014>日本の夏

Highlighting JAPAN

前へ 次へ

日本の夏

我慢せずに、快適でエコな暮らしを実現する(仮訳)

次世代型省エネ住宅「ゼロエネルギーハウス」

English



日本の家作りは、古来より冬に暖かく、夏に過ごしやすいことが重視されてきた。さらに、近年の建築技術や工法の進歩により、断熱素材の活用や、太陽光など自然エネルギー資源の有効活用が謳われ、冬暖かく夏涼しく、環境にも配慮した住宅への取り組みが国全体で行われている。

ハウスメーカーとして地域開発を行う積水ハウスは、他社に先駆けて断熱などを使ったエコロジーハウス(CO2排出量を削減する住宅)を提唱してきた。そして現在、「ゼロエネルギーハウス」(エネルギー中立的な住宅)の普及を押し進めている。

2011年の東日本大震災後に原子力問題が浮上した結果、エネルギーについての関心が高まり、CO2削減だけでなく、エネルギー自立へのニーズは一気に増えた。こうした経緯を辿りつつ行き着いたのが、エネルギーを再利用して実現させる「ゼロエネルギーハウス」である。国は、2020年までにはこの「ゼロエネルギーハウス」を新築の標準とすることを目標に掲げた。

「ゼロエネルギーハウス」とは、エネルギーをまったく使わない住宅を意味するのではない。その理念は「自宅で使ったエネルギーを自家発電したエネルギーで相殺する」ということだ。そしてその普及に欠かせないのが「省エネ」の建材や瓦型の太陽電池など、ゼロエネルギー住宅と言っても「一般に広く普及できる『普通の家』であることが重要なのです」と積水ハウス温暖化防止研究所所長の石田建一氏は言う。

石田氏は、大学の博士課程で日本の住宅を研究しているとき、同社から声がかかった。省エネ住宅の研究を続けたが、初めは省エネ住宅の普及にまでは至らなかった。石田氏は「世の中をより良くするために、消費者が受け入れやすい普通の住宅で省エネを達成する」ことを一貫して唱え続けた。彼の取り組みにより、省エネ住宅の普及につながった。

同社は太陽光発電のパネルを「瓦風」にすることにこだわった。周囲の街並とも馴染む日本古来の瓦屋根をモチーフにすることで、住む人のライフスタイルにも一致する様々なプランでも配置しやすいようにデザインを考案した。同社によれば、その結果、現在販売している住宅の6割がこの「ゼロエネルギーハウス」になっているという。

「重要なのは、これらの変化が我慢を強いるのではないということ。我々の住宅はあくまで快適な環境のなかで自然と省エネを調和できる」と石田氏は強調する。それを、同社では「SLOW & SMART」―快適な暮らしを先進の技術で実現する―というブランドビジョンとして推進している。

「ゼロエネルギーハウス」は今、海外への普及にも視野を広げている日本人ならではの住まい作りは世界に広がっている。「日本は住宅へのソーラーパネル設置率が世界一。日本の省エネ・創エネへの姿勢を海外の人にも知ってもらえたら嬉しいですね」と石田氏は言う。

 



前へ 次へ