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Highlighting JAPAN

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クリエイティブルーツ

伊吹英明氏インタビュー

経済産業省 商務情報政策局 クリエイティブ産業課長(仮訳)



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クールジャパンに代表される日本の魅力とは。
日本と日本人の持つクリエイティビティは、政府が推進するクールジャパン政策にも通じるものである。アニメやゲームといったコンテンツ、食、技術など、海外で評価される日本の魅力ある商品・サービスなどのすべてがクールジャパンなのである。こういった日本のクリエイティビティが海外で高く評価されるために、政府として経済産業省ではどのような取組みを行っているのか、経済産業省クリエイティブ産業課長伊吹英明氏に聞いた。

世界各地でクールジャパンとして支持される日本の魅力とはなんでしょうか。

海外で人気のあるものを見ていると、日本人の持つ発想や表現の自由さ、多様性などが好まれているのだと感じます。伝統と革新の二つの顔、それが日本の魅力でしょう。

海外で特に人気のある日本文化はまず食、そしてコンテンツです。例えば今年1月にフランス・パリで開催された、ラーメンを核としたイベント「Paris Ramen Week Zuzutto」ではメディアの取り上げ方も大きく、地元フランス人の長い行列ができました。アニメやマンガなどのコンテンツでは、24時間日本の番組を流し続ける専門チャンネルがアジア諸国に誕生するほどの人気ぶりです。

クールジャパンの海外進出を促進するための、経済産業省の具体的な戦略を教えてください。

クールジャパンを産業として応援するためには、それぞれのビジネスで収益を出せるよう、クリエイターがお金を回収するための仕組みや海外での販路開拓が重要です。
アニメやマンガなどのコンテンツでは、キャラクター商品を売り、コンテンツを流通させる海外の日本チャンネルや配信サイトをつくり、海外の映画館で日本の作品を上映したり、日本人アーティストが海外のライブハウスで公演をしたりするための支援を行っています。

商品に対しては、ものづくりを行う生産者と企業が海外の消費者と直接対話をすることで現地のニーズを汲み取る手助けとなるテストマーケティングの場を設けたり、販路開拓の後押しをします。

地域で質の高い商品をつくる生産者や中小企業には、目利きのバイヤーやプロデューサーをつなぎ合わせ、ビジネスとしての芽を引き出します。昨年11月に設立したクールジャパン機構(株式会社海外需要開拓支援機構)ではリスクマネー供給をバックアップします。私たちは、クリエイターと海外マーケットを引き合わせる接着剤のような役割を担っていきたいと考えています。

クールジャパン事業を通じて改めて気づかされた日本の良さとはなんでしょうか。

日本の商品やサービスは、ユニークさや創造性に秀でているのはもちろんですが、手を抜いた仕事が一つもないことに気づかされます。日本に既にあるものを、海外のニーズや事情に合わせてローカライズして発信する力と、はじめから世界標準で開発する力。その両方を兼ね備えていることが、日本の力であり、魅力なのでしょう。



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