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Highlighting JAPAN

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リーニングイン ーザ・パワー・オブ・ウィメノミクスー

森まさこ大臣インタビュー

女性が輝く社会に導くヒーロー(仮訳)



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2012年末、日本は新たなヒーローを得る幸運に恵まれた。森まさこ女性活力・子育て支援担当大臣の誕生だった。彼女は、苦学の末に弁護士となり、米国ニューヨーク大学ロースクール留学、金融庁での勤務などを経て、国会議員となった。その間、一貫して弱者救済に尽力し続けてきた。

森大臣は現在進行形で2人の子供を育てながら、日本でもトップのキャリアを築いてきた努力の人だ。毎朝娘のためにお弁当を作り、その写真をツイッターに投稿するようなワーキングマザーでもある。だからこそ、日本女性の活躍を推進する大臣という役目が与えられた。彼女に日本政府の取り組みを聞いた。



「女性の活躍」を成長戦略の中核として打ち出していますが、どのようなお考えによるものでしょうか。

日本経済の再生と東日本大震災からの復興のためには、潜在化している女性の力が必要なのです。現在、日本社会では出産・妊娠で6割の女性が退職しており、女性の就業希望者数が303万人もいます。IMF*1の試算では、女性の労働参加率*2を270%へ引き上げられれば、GDPが約4%増加、北欧並みになれば、GDPが約8%増加すると報告されています。また、女性の参画により、より多くの女性が新製品・新サービスの開発に参画することによって、多用な経験や価値観が反映され、新しい市場が開拓されることが期待されます。

成長戦略の中核としての「女性の活躍」の打ち出しは海外からの反応もよかったとか。どのような点が注目されているのでしょうか。

女性政策を、人権問題としてだけではなく、経済成長戦略の中核と位置付けたこと、そして、女性の活躍推進について安倍総理自身が深くコミットメントしていることが、国際的に高く評価されています。私も、9月にインドネシアで開催された「APEC女性と経済フォーラム」で、「アベノミクス」は「ウィメノミクス」を抜きでは成功しないと説明したところ、各国閣僚から非常に羨ましいと言われました。総理は、国連での演説でも、女性の活躍なくしては経済発展はありえないと強く訴えていますし、国内の演説でも、必ず、女性の活躍に言及しています。また、総理自らによる経済界への働きかけ、保育所の抜本的拡充、女性の活躍推進に取り組む企業への補助金や顕彰、国家公務員の女性幹部の登用など、矢継ぎ早に施策を展開しています。安倍内閣は、そして、日本は、女性の活躍を本気でやるんだ、「女性が輝く社会」を本気で作ろうとしているんだということが国内外にしっかりと伝わってきていると感じます。 また、防災の分野では、東日本大震災の教訓を踏まえ、「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」をまとめ、復興や災害対策に女性の参画を進めており、この取組も各国から評価されています。

二人のお子さんを育てながら日本人女性としてトップのキャリアを形成されてきた森大臣ご自身のご経験を踏まえ、日本社会にはどのような意識改革が必要だと思われますか。

「ガラスの天井」と言いますが、日本社会では、進もうとする女性をつまずかせる「ガラスの石ころ」が道のあちこちに転がっています。男性にはそれが見えないので、なぜ女性がつまずくのかわからないのです。私自身、それを経験し、非常に苦労しました。一つ一つの石ころを男性にも見えるようにし、一つ一つ取り除いていきたい、こうしたことを通じて、次の時代を担う女性の苦労を減らし、活躍しやすい社会を築きたいと考えています。

日本では、東京でオリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに、社会のあらゆる分野において、指導的地位に占める女性の割合を少なくとも30%程度とすることを目標としています。この目標の実現に向けて、官庁や企業の女性の採用・登用などの「見える化」により、各主体の自発的な取組を促進しています。また、ワーク・ライフ・バランスや、男性の育児参加も重要であり、企業トップや管理職、男性の意識改革にも取り組んでいます。

安倍内閣の方針は、「百の言葉よりも一つの結果」。女性活力担当大臣として、安心して子供を育てながら働き続けられる社会、あらゆる分野で女性が輝くことができる社会の実現に向けて、2014年も、一つ一つ、結果を出していきます。

森大臣の言葉には、日本社会に新たな変化が広がっていく勢いが感じ取れる。彼女は、今後も持ち前の賢明さと強い信念で着実に、日本社会にいまだ残された荒野を切り拓き、成果を見せてくれるのだろう。

*1 2012年10月時点での試算
*2 生産年齢人口に対する労働人口の割合



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