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Highlighting JAPAN

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グローバリゼーション

民族・宗教的に多様な旅行者を歓迎することの意義(仮訳)



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2020年のオリンピック・パラリンピック開催都市が東京に決定したこともあり、世界中のアスリートや競技関係者と共に、海外からの旅行者を迎え、おもてなしをするという訪日外国人の拡大、インバウンド振興が期待される。

なかでも、近年は東南アジア諸国からの訪日旅行者が増大している。 2012年(1月〜8月)および2013年(1月〜8月)間の日本政府観光局(JNTO)統計を比較すると、インドネシアからの観光客は50%増加しており、タイからの観光客は59%増加しており、ベトナムからは52%、インドネシアからは40%、以下シンガポール、フィリピンおよびマレーシアからの観光客も著しく増加している。これら諸国からの観光客が増加した理由としては、LCCフライトの増便、円安による好ましい為替相場、ビザ取得の簡易化(一部諸国においてはビザが不要となった)に加え、近年のASEAN諸国のめざましい経済成長も背景にある。

特にインドネシア、マレーシアおよびタイからの観光客の急激な増加に対応するため、観光庁はいくつもの対策を打ち出しながら、訪日旅行者が民族や宗教に関わらず滞在を楽しめる環境を整備に努めている。食事やお祈り、生活習慣など、ムスリム客の宿泊に配慮したサービスを行うホテルが少しずつ出現し始めている。東京にあるサクラホテル幡ヶ谷はその一例であり、ここでは新たにムスリムの宿泊者向けに礼拝室が設置されている。もう一つの例は大阪の道頓堀ホテルであり、ここでは朝食ビュッフェにもイスラム教徒に配慮した料理を提供しており、宿泊者には無料で礼拝用マットとキブラを貸し出している。。ちょうど今年、関西国際空港では全てのレストランの英語のメニューが作成されたが、そこには一部の料理が豚肉・アルコール不使用であることを示すマークがわかりやすく表示されている。いくつかのレストランは、Malaysia Halal Consultation & Training Agencyのハラール認証を取得した。

観光庁の薬丸氏、並びに新関西国際空港株式会社ターミナル営業部の岡田氏の両者によると、イスラム教徒の訪日旅行者は、彼らに友好的な環境作りを進めている日本の努力を喜んでくれると同時に、アイディアやアドバイスも提供してくれているという。

これらアドバイスへの対応として、関西国際空港は2014年3月までに完了予定の4つの計画を発表した。一つ目は、国際線の出国ラウンジの北および南ウィングにおける新たな礼拝室の設置であり、ここは性別によって別個の部屋を利用できるよう仕切られる形となる。二つ目は、認定ハラール料理を希望するイスラム教徒の観光客に向けた、ハラール料理サービスの導入である。これらの料理は、国際線向けハラール機内食を用意する専用ハラールキッチンにて調理される。また、ハラール寿司等の日本料理のセレクションも提供され、団体客用の待合室にケータリングされる。三つ目は、空港におけるハラール認定レストランの展開である。ハラール認定を受けているのはざ・U-donとおらが蕎麦の2店が開始した。四つ目は、ギフトショップで豚肉・アルコール不使用コーナーを設ける。

一方で、観光庁とJNTOはムスリム対応レストランに関する情報、並びに礼拝施設、ホテルとモスクの所在地等を紹介する「ムスリム訪日旅行者向け日本旅行ガイド」と題したパンフレットを作成している。パンフレットは、マレーシアとインドネシアの旅行代理店に配布されており、またJNTOシンガポール事務所のウェブサイト(https://muslimguide.jnto.go.jp/eng/)にも掲載されている。

「私たちは、ムスリムの観光客にも快適に過ごして頂き、何の心配もせずに食事をして、祈り、休んでいただきたいと願っている。ハラール認定の日本料理店を増やすことで、旅行者にはためらいなく日本料理を試していただき、日本を離れる際に購入できる食料品ギフトの選択肢も増やしたいと考えている」と岡田氏は述べている。



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