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Highlighting JAPAN

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インタビュー

日印国交樹立60周年(仮訳)

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2012年は、インドと日本の外交関係が樹立されてから60周年目にあたる。ジャパンジャーナルのアレックス・ヘンディーが、ディーパ・ゴパラン・ワドワ在日インド大使に現在の日印関係の特徴について尋ねた。

──日本とインドの両国関係で注目すべき出来事はどのようなことでしたか?

ディーパ・ゴパラン・ワドワ在日インド大使:日本とインドは1952年4月に平和条約を締結して外交関係を樹立したので、今年は両国関係にとって記念すべき年です。その後、両国は1957年に首相同士が相互訪問を果たしましたが、それ以降は20年以上にわたり実現していませんでした。現在、両国は首相間で年次首脳会議を開催しています。2000年には日印間でグローバルパートナーシップを確立して、両国関係における全く新たな段階の幕開けとなりました。この枠組みは、2006年に日印戦略的グローバルパートナーシップへと拡大しています。インドは日本が首相レベルの年次首脳会議を正式に定例化した唯一の国です。インドがそうした関係を結んでいるのは、日本とロシアの二国だけです。これは、両国関係の親密さを如実に物語る証しとなっています。

──そうした特別な親密さの背景となっているものは何でしょうか?

インドと日本には多大な文化的結びつきがあり、その歴史は奈良や東大寺の時代まで1,400年以上も遡ります。このような文化的結びつきから、両国関係は前向きな感情に溢れているのです。両国関係で際立つもう一つの事実は、歴史的またはイデオロギー的に背負っている重荷が何もないことです。両国には歴史的な仏教のつながりがあり、現代ではアジアの民主国家として共通の価値体系を共有しています。

──経済関係はますます緊密になっていますね。

インドは日本政府から低金利借款を享受した最初の受領国の一つでしたが、この貸付制度は長年にわたり両国関係の下支えとなってきました。また、ここ10年ほどの間に投資や貿易関係もかなり活発になっています。2011年8月には日本・インド包括的経済連携協定(CEPA)が発効となりましたが、これによって日印間の関税は10年以内におよそ94%が廃止されることになります。すでに一年間で、両国間の物品およびサービスの貿易は20%超伸長しています。中核的プロジェクトとしては、ムンバイ・デリー間インド貨物専用鉄道建設計画(DFC)とデリー・ムンバイ産業大動脈構想(DMIC)の二件が挙げられます。これらのプロジェクトによって、大動脈沿いには数多くの新DMIC都市が出現してインドは様変わりすることになるでしょう。昨年、野田佳彦首相はこれらのプロジェクトに(5年間で)45億ドル拠出することを明らかにしました。

──在日大使に就任してから3カ月経ちます。特別な目標として、どのようなものを考えていらっしゃるでしょうか?

まず私が感じたのは、両国が極めて良好な関係にあることです。私としては、こうした潜在的関係を具体的な形にする方策を探っていきたいと望んでいます。つまり、日本の企業にインドへ進出してもらうか現地基盤を拡大させるよう働きかけるということです。また、インド本国においても、日本企業のインド参入を促進してその便宜を図るインフラのサポートを確実に整備したいと考えています。10月に両国はエネルギー対話を開催して、エネルギー効率が高い代替エネルギーテクノロジーをインドに導入する日本企業をさらに増やす方策について検討しました。こうした動きは、国内市場に加えて世界的供給源という観点でも、インドへの外国投資を誘引するための好環境をもたらすインドの新国内製造業政策とうまくかみ合っています。自動車で両国がともにした経験は、満足できる実績でした(マルチ-スズキはインドに自動車革命をもたらした)。両国はこうした実績を他の分野で再現することができるのではないでしょうか。


ウォールアートフェスティバル(仮訳)

ウォールアートフェスティバル(以下、WAF)は、日本のNPOである「ウォールアートプロジェクト」と国際交流基金の共催で、2010年から毎年2月にインドで開催されている、日本人とインド人のアーティストによる国際芸術祭だ。子ども達や村の人々にアートの力を伝えること、また、WAFを通じて村の活性化につなげることが目的だ。

2013年2月16日から18日まで、第4回WAFが、アラビア海に面するマハラーシュトラ州のガンジャート村で行われる。ガンジャート村は、少数民族のワルリ族の村だ。ワルリ族は、古くから結婚式の時に、新婚夫婦が住む家の壁に、米の粉を水で溶いた絵の具を使って、神様の絵を描く「ワルリ画」の風習が残っている。今回のWAFでは、地元の子ども達も参加し、ワルリ画で小学校の壁に絵を描くウォールペイント、子ども達の夢を書いた凧を揚げるイベント、仮面に絵を描くワークショップなどが行われる予定だ。日本から3名、インドから3名のアーティストが参加する。

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