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Highlighting JAPAN

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郷土料理カレンダー

郷土料理カレンダー(仮訳)

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伝統的な日本食は、寿司や天ぷらだけではない。北は北海道から南は沖縄まで、日本全国で郷土色豊かな料理を四季折々楽しむことができる。食べることで日本人が季節を感じる代表的な郷土料理を紹介する。

【春】

いかなごのくぎ煮(兵庫)
「いかなごのくぎ煮」は、瀬戸内海で2月から3月にかけて取れる「イカナゴ」という魚の稚魚を、醤油と砂糖で煮て作る。いかなごのくぎ煮は、兵庫、大阪など関西地方の家庭で調理され、人々はくぎ煮を食べることで春の到来を実感するのだ。「くぎ」とは nail のこと。出来上がった姿が、釘に似ているから、この名がついたと言われている。

朴葉寿司(岐阜)
「朴葉寿司」は、ホオノキの葉に、酢飯、マス、野菜などの食材を包んだ料理。かつては、岐阜県山間部では各家庭が春の田植えのとき、作業を手伝う近所の人や親戚に振る舞った。葉は、香りも良く、殺菌作用もある。

【夏】

かつおのたたき(高知)
「かつおのたたき」は、高知沖で初夏そして秋に捕れるカツオを使った魚料理で、江戸時代から夏の風物詩となっている。さばいたカツオを、稲わらを燃やした火で表面をあぶり、冷やす。それを、厚さ1センチほどに切り、ネギやニンニクなどの薬味と醤油などのタレで食べる。

ゴーヤチャンプルー(沖縄)
「ゴーヤチャンプルー」は、沖縄の代表的な野菜であるゴーヤを、豆腐、豚肉などの食材とともに、炒めた料理だ。「チャンプルー」は沖縄の方言で、「混ぜこぜにした」という意味である。かつて、ゴーヤは、主に沖縄や九州で栽培されていたが、現在は、家庭菜園の野菜として、日本各地で栽培されるようになった。

うなぎの蒲焼き(静岡)
「うなぎの蒲焼き」は、さばいたウナギに、醤油、砂糖、酒などをまぜたタレを塗り、焼いた料理だ。蒲焼きは、そのまま食べたり、炊いたご飯の上に乗せて食べたりする。日本では、夏バテを防ぐために、夏にウナギの蒲焼きを食べる習慣がある。水の豊かな静岡は、日本を代表するウナギの生産地で、数多くの養殖場がある。

冷や汁(宮崎)
「冷や汁」は焼いた味噌を水に溶いて、キュウリやシソ等を刻んで入れ、ご飯にかけた料理である。忙しい農家が簡単に食べられる食事として考えられた。夏の暑さで食欲が落ちた時でも、美味しく食べられる。

【秋】

芋煮(山形)
「芋煮」は、サトイモと肉を、醤油もしくは味噌をベースにした汁で煮込む料理。山形県内では、サトイモの収穫時期である秋に、河川敷などの野外で、芋煮を家族、友人、学校、職場などのグループで食べる「芋煮会」がこの時期の風物詩となっている。山形市では9月に毎年、直径6メートルの鍋を使って芋煮を作るイベントも開催されている。

はらこ飯(宮城)
「はらこ飯」は、サケの煮汁を加えて炊いたご飯の上に、サケとイクラを乗せた料理である。はらこはイクラのことだ。宮城県と福島県を流れる阿武隈川は、秋にサケが遡上する。戦国時代から江戸時代にこの地域を治めていた武将、伊達政宗(1567-1636)が、その美味しさを称えたことから、地域に広まったと言われている。

【冬】

石狩鍋(北海道)
昔から、日本人は冬になると鍋を囲んで暖を取ってきた。「石狩鍋」は寒い北海道を代表する料理のひとつだ。北海道東部の石狩川の河口の漁師が、秋から冬にかけて、遡上するサケを獲り、身をぶつ切りにし、キャベツ、玉ねぎ、豆腐などの具材を、味噌と合わせて煮込んで食べていたことにはじまる。

きりたんぽ(秋田)
「きりたんぽ」は、炊いたご飯をすりつぶし、それを木製の串に棒状に刺して、焼いた料理である。秋田県の北部が発祥の地と言われる。きりたんぽに味噌を塗って食べたり、醤油ベースのスープに、鶏肉、ネギ、キノコ、きりたんぽを入れ、煮て食べたりする。

ふぐ料理(山口)
冬に漁の最盛期を迎えるふぐを使った料理は、日本の冬の代表的な料理で、山口県、特に漁港のある下関市は、ふぐ料理の本場として有名である。ふぐの食べ方は、刺身、唐揚げ、鍋など様々な方法がある。また、焼いたふぐのひれを日本酒に入れた「ひれ酒」も人気だ。

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