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Highlighting JAPAN

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総理動向

G8ドーヴィル・サミット(仮訳)

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5月24日、菅直人総理は、フランス公式訪問及びフランスで開催されるG8ドーヴィル・サミット出席のためにパリに到着、25日に、首相府においてフランソワ・フィヨン首相と会談後、大統領府においてニコラ・サルコジ大統領とワーキング・ランチ形式の首脳会談を行った。

首脳会談では、冒頭、サルコジ大統領より、震災を受けた日本国民への連帯と支援が表明された。菅総理からは、原子力安全等に関し、日本として世界最高水準を目指すと同時に、原発事故の原因を徹底的に検証し、情報と教訓を国際社会と共有し、国際的議論を先導していきたい旨発言があった。また、原発事故に関し、国際社会の協力を得ながら、事態の収束及び安定化に向けて努力していることを説明、高濃度汚染水処理に係るフランスからの支援に対する謝意が表明された。

25日午後には、菅総理は,経済協力開発機構(OECD)本部で開催されたOECD閣僚理事会の際のOECD設立50周年記念行事に出席,スピーチを行った。スピーチにおいて、菅総理はOECDとの今後の協力関係を再確認するとともに,日本のエネルギー基本計画を見直し、「四つの挑戦」を行うと述べた。

第一に、事故を教訓に最高度の原子力安全の実現を目指す原子力エネルギーの「安全性」への挑戦。第二に、最先端の技術を用いて、化石燃料の徹底した効率的利用を進め、二酸化炭素の排出削減を極限まで図っていく化石エネルギーの「環境性」への挑戦。第三に、技術面やコスト面などの大きな「実用化の壁」を打ち破り、自然エネルギーを社会の「基幹エネルギー」まで高めていく、自然エネルギーの「実用性」への挑戦。そして第四の挑戦は、家庭とコミュニティにおいて「生活の快適さを失わずに省エネルギーを実現する」という省エネルギーの「可能性」への挑戦である。

菅総理は「日本には、昔から『足るを知る』(知足)という言葉があります。この言葉が教えているのは、自らの欲望をどこまでも増大させるのではなく、適切な欲望の水準を知ることの大切さです。人類全体が、地球環境問題に直面し、エネルギー問題が様々な紛争の原因となっている今日、我々地球に住む者に深く問われているのは、実は、この問いに他ならないのではないでしょうか」と述べた。

G8サミット

菅総理は,26日と27日には,ドーヴィルで開催されたG8サミットに出席した。菅総理から冒頭に発言を行い,各国からの支援に感謝を述べるとともに,事故収束と復興に向けて全力を尽くしている旨説明した。また,前日のOECDと同様,エネルギーに係る「4つの挑戦」に取り組む旨表明した。各首脳からは,改めて日本への深い同情と連帯が示されると共に,困難な状況下で日本人が示した不屈の精神と勇気ある行動に敬意が示された。

それに加え,総理から,最高水準の原子力安全に向けて事故調査・検証委員会を立ち上げた旨説明し,事故の経験と教訓を共有することで我が国の責任を果たす考えを伝え,理解を得た。また,来年後半我が国は,IAEAと協力して,原子力安全に関する国際会議を開催したい旨表明した。

その他,世界情勢に関する議論を幅広く行い,北朝鮮問題については,総理から議論を主導し,G8として北朝鮮に対する強いメッセージを出すことができた。

中東・北アフリカについては,総理から,各国の安定的な体制移行及び国内諸改革に向けた自助努力を支えるため,①公正な政治・行政運営,②人づくり,③雇用創出・産業育成を中心に支援することを表明した。

さらに,アフリカとの対話において,総理から,震災後もTICADⅣにおける対アフリカ支援の公約を誠実に実現する旨表明し,引き続きアフリカ開発に貢献していく日本の決意を示すことができた。

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