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Highlighting JAPAN

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特集復興する日本で出会った人々

温かい料理を被災地に 活躍するインド人オーナー(仮訳)

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3月11に発生した大地震とその後の津波により、東北地方は甚大な損害を被った。インド出身で現在日本に在住しているインド人の中には、できる限り手助けをしたいと意を決する人たちもいた。それも、物理的なことだけではなく、心の琴線に触れるやり方で援助するということだった。エスニック・レストランのオーナーであるマルカス氏、それに彼が雇っているインド人シェフと厨房スタッフは、大震災後に避難している被災者へカレーを配る準備をした。彼らは、被災した日本の東北地方を合計で二回訪れた。日本の首都、東京ではあらゆる種類の食べ物を味わうことができるが、緊急食糧の配給を受けている人たちにはそれほど物を選ぶ余地はなかった。

インドのデリー出身であるマルカス氏は、東京の中心街近くにエスニック・レストランをオープンしたが、近隣地域に外国料理を出すレストランが色々とある中で、多くの外国人を魅了している。彼のレストランはブカラというインド料理のレストランで、ベリーダンスやインドの踊りを呼び物にしたマハラジャ・ナイトといったさまざまなイベントを開催している。ブカラは、3月以降でさえ非常に繁盛している。例えば、5月後半には彼のレストランのグローバルな顧客構成を際立たせるかのように、外国関連企業によるパーティーが催されていた。

マルカス氏は、東京に支店を置くインドの旅行代理店であるアサヒトラベルサービスの代表取締役でもある。それに加えて、彼はビジネス・コンサルト会社の統括責任者も務めている。彼がインドへ戻ったのは3月13日のことだったが、もちろん事前に設定されたツアーの責務を果たすのが目的だった(日本へは3月25日に帰国)。マルカス氏が他のインド人ビジネスマンたちと機上で緊急会議を開いたのはそうした折りのことで、どのようにして大震災後の日本を援助するのかについて話し合った。マルカス氏は東北の仏教寺院と交流関係があったため、必要なものを尋ねたところ、寒い東北の気候では暖かい食べ物が最も喜ばれるという回答を受けた。マルカス氏は、彼やインド人スタッフが作った最高のものを大量に提供できると分かっていた。そのため、「目に見える支援」(外国人が炊き出しをしている姿を目にすること)が被災者のことを気遣っている姿勢を示す理想的な方法になると考えた。

暖かい食べ物が必要なことを伝えた宮城県仙台にある仏教寺院は、4月18日から20日の二日間にわたり、(近くの三ヵ所で)合計1,000人の人々に食べ物を提供する臨時拠点となった。マルカス氏がその次に東北を訪れたのは5月21日と22日で、その時には宮城県の石巻市へ行った。石巻は、津波で破壊された石ノ森萬画館と近くにある石巻市マンガアイランドの本拠地となっているところだ。二回目となる東北への訪問では、1,000人ほどの被災者へ一斉に食事を提供することになった。そこでは、ブカラ・レストランのインド人たちをマルカス氏と関係がある日本の会社メガからやって来た多くのボランティアが手伝う姿が見受けられた。マルカス氏は、大震災に遭った被災地で助けを必要とする人たちから要請がある限り、こうした取り組みを続けていく姿勢を示している。今度は気候が暖かくなるので他の物に加えて別の食べ物を提供することを考えているという(それでも、実際にはスパイスがより利いたカレーは夏の暑さを緩和するのに役立つ)。そして、当然のこと今年の後半にやってくる寒い時期の前に暖かい衣服を用意することも検討している。

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