すごいぞ!日本の宇宙開発

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ラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子「日曜まなびより」」

今回のテーマは、「すごいぞ! 日本の宇宙開発」。
今、日本の宇宙開発が加速しているのをご存じですか?“宇宙開発”と聞くと壮大で、具体的なイメージが沸かないかもしれませんが、例えば、地球の周りを飛んでいる「人工衛星」によって、地図や天気予報、カーナビや自動運転、失くした物の捜索から防災に至るまで、私たちの暮らしが、より豊かで便利になっているんです。
番組では、その中でも、測位衛星「みちびき」に注目して深堀りしていくほか、日本人宇宙飛行士の月面着陸などを含む「宇宙基本計画」や、企業による宇宙分野への新規参入や新たな宇宙ビジネスの創出などを支援する「宇宙戦略基金」をご紹介。これから、ますます成長する世界の宇宙市場で、日本も各国と肩を並べて戦っていきます。私たちの生活に欠かせない宇宙開発について、一緒に学んでいきましょう!

杉浦太陽さん、村上佳菜子さん、内閣府ゲストの3人が、「準天頂衛星システム「みちびき」」のポスターを紹介。

ゲスト
内閣府
宇宙開発戦略推進事務局 主査
細川 奈央

 

ストリーミング(音声で聴く)

放送日
令和6年(2024年)10月6日
再生時間
18分47秒
配信終了予定日
令和7年(2025年)10月5日

文字で読む

杉浦
佳菜子ちゃん!まずは問題!「だいち」、「ひまわり」、「みちびき」、この三つの共通点は何でしょうか?
村上
えー!なんだろう?土?
杉浦
ちょっと1回ヒントあげよっか(笑)。今から67年前の10月4日は、ソビエト連邦により世界初の人工衛星「スプートニク1号」が打ち上げられた日で、今日を含む10月4日から10日の1週間は、国連により制定された「世界宇宙週間」です。
村上
え!?余計分かんなくなっちゃった(笑)
杉浦
答え!日本の人工衛星の名前です。天気予報で「ひまわり」とか聞くじゃん?
村上
確かに!!
杉浦
人工衛星は、ロケットで打ち上げられた後、地球を回りながらそれぞれの仕事をする、ロボットのようなものです。「だいち」は「地球観測衛星」の名前で、陸地の写真を撮りためて、地図作りや災害状況を把握するために使われてます。「ひまわり」は「気象衛星」の名前ね。宇宙から地球上の風や雲の動きを見守って、天気予報に役立ってます。そして「みちびき」は「測位衛星」の名前なんだけど、測位衛星ってどんな仕事をするものでしょうか?
村上
測位っていうと、位置を測るってことなのかな?と思います。
杉浦
そう。今ほど技術が進歩していなかった頃は、星や灯台の明かりを目印にして、今居る場所を知ろうとしてたんだけど、今は、カーナビとかスマホで知ることができるようになったよね。測位衛星の仕事は、このカーナビやスマホに、星や灯台の明かりの代わりに電波を送って、今居る場所を教えることなの。この測位衛星で最も知られているのが、アメリカの「GPS」!GPSとタッグを組んで活躍しているのが、日本の「みちびき」なんだ。
村上
なるほどねー!じゃあ、「みちびき」って、「今の私たちの暮らしに欠かせない」ってことですよね!私なんて、ナビがないと運転もできないし、家から出られない。感覚で歩いてみるけど、絶対に間違ってるもん。
杉浦
だからもう、欠かせないんです。しかも、今後、機能強化などの目的から、「みちびき」の整備がどんどん進んでいくんだって!ここからは、今日の講師、内閣府宇宙開発戦略推進事務局主査の細川 奈央さんに教えていただきましょう!
村上
細川さん、まずは測位衛星の「みちびき」について、もう少し詳しく教えていただけますか?
細川
はい。「みちびき」は日本が独自に管理・運用している測位衛星です。正式な名称は、「準天頂衛星システム「みちびき」」と言います。「基準」の「準」という漢字に「いただき・頂上」の意味がある「天頂」と書いて「準天頂」です。この「みちびき」はGPSと互換性のある電波を使用していてGPSと連携して活用されています。
村上
素朴な疑問なんですけど、衛星から電波を送ることで、今居る場所を教えるって、どういう仕組みなんでしょうか?
細川
例えばカーナビの場合、衛星から電波を送ることで、車までの距離を測っています。測位衛星が送る電波には、衛星の「位置」と「時刻」の情報が入っています。電波の速さは秒速およそ30万キロメートルなので、電波が到着した時刻を調べると、「速さ×時間」で、衛星がいる位置から車までの距離を割り出すことができます。
杉浦
距離が分かれば、だいたいの位置が分かるということですよね。ただ、距離が一つ分かっただけでは、正確な場所は分かりませんよね。
細川
はい。正確な場所を割り出すには、縦、横、高さ、そして時間の四つの情報を特定する必要がありまして、そのために4機の衛星それぞれから電波を受信しています。現在、「みちびき」は常に1機は日本の真上辺りを飛ぶようにプログラムされています。
杉浦
それで、準天頂システムって言うんですね。
細川
はい。常に日本の真上付近に「みちびき」がいることで、電波がビルや山などに遮られにくく、測位が安定しやすくなります。またGPS衛星から見えにくいところにいたとしても、「みちびき」がしっかり測位して、位置を安定的に示すことができます。
村上
「みちびき」、優秀なんですねー!!
細川
はい。また「みちびき」が出す電波の中には位置情報の精度を更に高めるための補強信号もあり、この信号を利用すると、時には数メートルになることもある誤差を、数センチメートルまで小さくすることが可能です。
杉浦
例えば携帯電話を捜索するとして、今までは「テニスコート内のどこかにある」っていう程度までしか分からなかったんだけども、「テニスコート脇のベンチの上にある」くらいまで位置を絞り込めるようになるんだって。
村上
え!すごい!!
細川
すでに、この補強信号のサービスは、車の自動運転や、無人トラクターによる農作物の種まきや収穫、その他、物流、スポーツなど、ビジネスの分野を始め、幅広い分野で活用が進んでいます。
村上
こどもの頃は夢だったことが現実になってきているんですね。
杉浦
しかも、「みちびき」のプロジェクトは今後さらに充実していくんですよね。
細川
はい。「みちびき」は現在4機体制ですが、2025年度をめどに7機体制になる予定です。「みちびき」はGPSと連携することで、一般に広く測位サービスを提供していますが、「みちびき」が7機体制になると、GPSを利用しなくても「みちびき」のみで測位サービスが利用可能になります。
杉浦
仮にアメリカのGPSに不具合が生じても、「みちびき」だけで正確な測位サービスを提供できるというわけですね。しかも、今年度から、「みちびき」11機体制に向けた検討・開発も行われる予定なんだそうです。
村上
どうしてそんなに増やすんですか?
細川
7機体制は、GPSに頼らない必要最低限の機数なので、1機でも不具合が生じると、測位機能が維持できなくなります。ですから安定供給のためにもバックアップ機能を強化する必要があります。また、11機体制にして利用可能領域を拡大すれば、アジア・オセアニア地域でも精度の高い測位が実現します。
杉浦
だから、海の上とか、オーストラリアとか海外でも「みちびき」の測位サービスが利用できるということですよね。
村上
すごいな。でも、素朴な疑問なんですけど、なぜ、日本は宇宙開発を熱心に進めているんでしょうか?
杉浦
それは、宇宙が、これからの日本にとって重要な領域だからなんだよね。
村上
細川さん、宇宙がこれからの日本にとって重要な領域というのは、どういうことなんでしょうか?
細川
先ほどのお話から、「みちびき」を始めとする人工衛星など、宇宙が私たちの暮らしを、より豊かで便利にしてくれていることは、お分かりいただけたと思います。しかし、宇宙開発はそれだけではなく、安全保障面でも重要な領域です。近年は、他国では軍事作戦支援や戦場の動向を把握することに、人工衛星からの情報が活用されています。日本の防衛力を高めるためにも、宇宙の開発・利用を強化しておく必要があります。
村上
なるほど。それは重要なことですよね。
杉浦
それに日本は自然災害も多いですから、防災面でも宇宙開発は重要ですよね。
細川
はい。先ほど、少しお話に挙がっていましたが、日本の「地球観測衛星・だいち」は陸地の写真を撮りためています。能登半島地震では「だいち2号」などの人工衛星が撮影したデータが被災地の状況を把握するのに役立てられました。
杉浦
なんでも「だいち」からのデータで、能登半島付近の大地がおよそ4メートル隆起したこととか、西向きにおよそ1メートル動いたこととか、分かったそうですよ。
細川
実は、今年7月には「だいち2号」を進化させた「だいち4号」が打ち上げられています。これによりデータ解析の時間が短縮されて、今後、もし大きな自然災害が起こったとしても、素早く被災状況を把握して、どこに支援を行うべきかなどが、すぐに分かるようになります。
村上
もしもの時の備えとして、心強いですね。
細川
はい。このように宇宙開発は日本にとって、とても重要な領域です。政府でも「宇宙基本計画」を策定し、我が国の宇宙開発利用を推進しています。
村上
その「宇宙基本計画」って、どんなものなんですか?
細川
宇宙基本計画とは、ここまでお話にも出てきた安全保障や防災・減災、宇宙科学と探査、これらの宇宙活動を支えるロケットなどについて将来像を示し、その実現に向けた今後10年程度の取組方針を定めたものです。例えば、近年、月や火星などの宇宙探査活動について、民間事業者も参画して国際競争が激化しています。こうした世界的な流れに乗り、日本も月面で使用する「有人与圧ローバ」の開発などを加速して、NASAの月面探査プログラム「アルテミス計画」に貢献し、日本人宇宙飛行士の月面着陸を目指しています。
村上
日本人の月面着陸!!ワクワクする計画ですね。他にもありますか?
細川
安全保障や社会活動における宇宙システムの重要性が高まっているので、もっと人工衛星を乗せたロケットを打ち上げるなど、宇宙へのアクセスを増やす必要があります。そのため、日本のH3ロケットなどの打ち上げ能力を高度化するだけでなく、民間企業によるロケット開発支援を加速していきます。これらの取組を通じて、政府としては2030年代前半までに、基幹ロケットと民間ロケットを合わせて年間30件の国内打ち上げ能力の確保を目指しています。
杉浦
これ、2023年に打ち上げられたのは2機だけですから、年間30件打ち上げるなんて、めちゃくちゃ野心的な目標ですよね。
細川
はい。実は2040年の世界の宇宙市場は1兆ドルを超える市場規模に成長するとの予測があります。そのため、日本では、民間企業や大学などが複数年度にわたって大胆に研究開発に取り組めるように、新たに「宇宙戦略基金」を創設しました。これにより、先端技術開発、技術実証、商業化を強力に支援していきます。現状3,000億円の予算が充てられていますが、今後は総額1兆円規模の支援を目指しています。
杉浦
こちらも、一気に規模が拡大です!日本も各国と肩を並べて宇宙市場で戦っていこうという強い意志を感じますね。
細川
はい。今後は、まだ宇宙に携わっていない企業の宇宙分野への参入促進や新たな宇宙ビジネスの創出、事業化へのコミットの拡大などの観点から、スタートアップを含む民間企業や大学などの技術開発への支援を強化・加速していきたいと思います。
村上
近い未来、今では想像できないような宇宙ビジネスが展開しているかもしれませんね。ワクワクします。
細川
はい。宇宙は、インターネット通信や地図アプリといった皆さんの身近なものから、安全保障や防災・減災といった分野まで、非常に幅広い分野で皆さんの生活に欠かせないものとなってきています。是非、今後の宇宙政策、宇宙開発に興味を持って、理解を深めてください。
村上
今日の話を聞いて特に注目したのはズバリ、「宇宙開発は進んでいる!」です。当たり前のようにナビとか使ってたけど、それは宇宙開発が進んでいるからなんだ!っていうことを、ちゃんと学びました。
杉浦
まさに、日進月歩!僕が特に注目したのは、「暮らしに欠かせない宇宙開発」です。宇宙とナビ?こんなに大事なの?って。けっこう知らなかった人、多いと思うんだよね。
村上
防災とかにも関わっているというのも、ビックリしました。

木材利用促進月間~ウッド・チェンジ(CM)

毎年10月は、木材利用促進月間です。
あなたは、木でできた製品を選んだり、建物を木で建てたりすることで、
日本の森林を元気にする「ウッド・チェンジ」をご存じですか?

今、戦後に植えられた森林の多くが本格的な利用期を迎えています。
木を「伐って、使って、植えて、育てる」。
このサイクルをうまく回すことによって、森林は一層元気になり、
土砂災害や地球温暖化の防止など様々な機能で私たちの暮らしを支えてくれます。
そのために、まずは木を「使う」ことが大切です。
身の回りのものを木に変えて、暮らしにもっと「木」を取り入れてみませんか。
詳しくは「ウッド・チェンジ」で検索ください。

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