歴史資料を見て学ぶ国立公文書館!日本国憲法の原本も!

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国立公文書館が所蔵する様々な歴史資料を実際に見たりパソコンやタブレットで閲覧したりしている様子。資料は「日本国憲法・御署名原本」、「国立銀行紙幣(新券)五円券」、「古今要覧稿」

POINT

国立公文書館には、日本国憲法など教科書で取り上げられているような公文書のほか、江戸幕府から引き継いだ古書・古文書や、新元号を発表する際に掲げられた「令和の書」など、様々な資料が所蔵されています。国立公文書館では、こうした所蔵資料を閲覧室や展示で実際に原本を見たり、パソコン、タブレットなどでデジタル画像を閲覧したりすることができます。様々な形で誰もが利用できる国立公文書館について紹介します。

1国立公文書館ってどんなところ?

国立公文書館って何をしているの?

国立公文書館は、国の行政機関などから受け入れた、歴史的に重要な公文書等を保存し、利用に供しています。また、より多くの人に知ってもらい活用してもらうため、所蔵資料を紹介する展示会の開催といった取組も行っています。現在、国立公文書館は、東京都千代田区(東京本館)と茨城県つくば市(つくば分館)の2か所にあります。

所蔵量は約170万冊!

国立公文書館の資料の所蔵量は約170万冊(令和6年(2024年)3月末時点)に上ります。行政機関などが作成した公文書が毎年およそ4万冊移管されているほか、江戸幕府から継承したものや、明治政府が収集した古典籍・古文書といったものも保存され、これらのうち「吾妻鏡(北条本)」など30件が国の重要文化財の指定を受けています。また、個人などからの寄贈又は寄託による資料収集にも取り組んでいます。
国立公文書館が受け入れた資料は、紙の場合は、かびや虫害を防ぐためにくん蒸を行った後、専用の書庫で永久に保存されます。資料は温湿度管理などを徹底した書庫で保存するとともに、経年劣化した文書については、専門の技術を持つ職員が修復作業を行っています。

2国立公文書館で何ができるの?

国立公文書館の所蔵資料のジャンルは多岐にわたり、自身の関心や興味に基づいて活用することが可能です。
例えば、大学で専攻する分野のレポートや論文を執筆するための資料収集などに活用したり、レファレンス(利用者の調査支援)で調査のヒントを得たりすることもできます。
学びや研究以外でも、例えば、自身の出身大学の創立時の記録、昔の鉄道の開通時の記録、古典文学など自身の関心や興味に基づいて関連資料を調べることもできます。

資料を通して当時の様子をイメージする男性

所蔵資料の原本を実際に見ることができます!

東京本館では閲覧室を設けており、閲覧したい所蔵資料がある場合は、東京本館閲覧室に申込書を提出することで、閲覧することができます(未審査の資料や利用制限のある資料は除く)。原本に実際に触れることができるのは、非常に貴重な機会です。なお、つくば分館の所蔵資料を閲覧したい場合は、事前に東京本館閲覧室に申込書を提出の上、東京本館で閲覧することができます。郵送や電子メールでの申込書の提出も可能です。

所蔵資料の撮影や写しの交付も受けられます

資料は持参したカメラで撮影することもでき(三脚・フラッシュの使用は不可)、別途申請すれば写しの交付(有償)を受けることもできます。閲覧についての詳細は「ご利用案内(閲覧)」をご確認ください。

国立公文書館東京本館の外観

国立公文書館東京本館の書庫

3デジタルアーカイブや展示会もチェック!

いつでも・どこでも検索や閲覧ができるデジタルアーカイブ

国立公文書館デジタルアーカイブ」では、どこからでもインターネットを通じて自身のパソコンやタブレットなどを利用して、所蔵資料の目録を検索することができるほか、デジタル化されているもの(所蔵資料の約4分の1)を閲覧・印刷・ダウンロードすることができます。そのほかにも、連携している地方の公文書館などの他機関のデータベースを横断検索する機能も備えています。英語にも対応しており、海外のかたも利用することができます。デジタルアーカイブで閲覧し、気になったものがあれば国立公文書館に足を運んで原本に触れることもおすすめです(原本の閲覧制限がされているものを除く)。
例えば、以下のような歴史的に重要な公文書をデジタルアーカイブで検索して、デジタル画像を閲覧することができます。

「国立公文書館デジタルアーカイブ」トップページ(イメージ)

貴重な資料がまとめて見られる展示会

国立公文書館では、常設の展示のほか、様々なテーマでの特別展・企画展を開催しており、無料で観覧できます。開催中の展示会は、国立公文書館「展示会情報」で確認できます。また、展示会終了後に、展示されていた多くの資料を閲覧室で閲覧することもできます(原本の閲覧制限がされているものを除く)。デジタル化されている資料は、デジタルアーカイブで画像を閲覧・印刷・ダウンロードすることも可能です。
展示会に関する情報は随時更新していますので、ご来館の際に同館HPなどでご確認ください。

常設展示

東京本館では、近代以降の歴史的な出来事に関する所蔵資料(複製)を紹介する基本展示「日本のあゆみ」を行っています。つくば分館では、「日本国憲法」、「終戦の詔書」、戊辰戦争の際に官軍が用いた錦旗と軍旗の精密な模写図である「戊辰所用錦旗及軍旗真図ぼしんしょようきんきおよびぐんきしんず」及び常陸国(現在の茨城県の南西部を除いた地域)の古地図である「常陸国絵図」(いずれも複製)などを通年で展示しています。時代背景や当時の主要な出来事を年表で紹介するパネルを設置するなど、歴史を学ぶ中学生や高校生にも理解しやすい内容となっています。休館日を除き無料で観覧ができます。

基本展示「日本のあゆみ」
国立公文書館東京本館の常設展示室の様子

特別展・企画展

東京本館では社会的に特に関心の高いテーマを取り上げる特別展を毎年1から2回、多様なテーマで実施する企画展を毎年3回程度開催しています(つくば分館は企画展を毎年1回開催)。令和6年(2024年)には、7月の新紙幣発行にあわせて、特別展「お札に描かれた人物―公文書で見る紙幣の歴史―」を開催しました。一部の特別展・企画展については、展示会終了後に、展示内容を再構成したデジタル展示も公開しています。

誕生 日本国憲法」(平成29年(2017年)春の特別展)
日本国憲法の誕生までの出来事を所蔵資料から紹介しています。

デジタル展示:誕生 日本国憲法

近代国家日本の登場-公文書にみる明治」(平成25年(2013年)春の特別展)
大日本帝国憲法や「錦の御旗の図」(戊辰戦争の際、官軍が用いた錦旗の精密な模写図)、「明治天皇御紀附図稿本」(明治天皇御紀の編纂の際に作成された附図。明治天皇の即位礼の場面を描いた絵図などが含まれている。)といった華麗な絵巻物、日清・日露両戦争の講和条約、そして鹿鳴館の晩餐会メニューなど、国立公文書館、宮内公文書館、外交史料館の各館が所蔵する明治時代の貴重な公文書や絵巻物などを紹介しています。

デジタル展示:近代国家日本の登場-公文書にみる明治

江戸の花だより」(平成29年(2017年)第3回企画展)
植物図譜、園芸書、名所図会などの資料を取り上げ、江戸時代の人々の植物へのまなざしを紹介しています。

デジタル展示:江戸の花だより

館外展

来館が難しい遠隔地を中心に、地方の公文書館などとの共催により、所蔵資料の原本の展示やパネル展示を開催しています。令和6年(2024年)は栃木県の芳賀町でパネル展示を実施しました。

児童・生徒向けの学習支援も行っています

国立公文書館では、教育機関と連携し、児童・生徒などが公文書に触れる機会を通じて、日本の歴史に親しみ学べる場を提供するため、館職員による出前授業を実施しています。例えば、「資料を通じて歴史を読み解く」をテーマとして、高校1年生を対象とした歴史総合の授業1コマを館職員が担当し、グループワークを通じて、資料を読み解く着眼点を学ぶ機会を提供しています。
関心のある小学校・中学校・高等学校の教員のかたは、国立公文書館(学習支援担当)までお問い合わせください。

コラム①:無料の館内見学ツアー

館内の見学ツアーも実施!

国立公文書館では、業務(利用、保存、修復、展示など)や所蔵資料の利用方法をより多くの人に知ってもらえるよう、無料の見学ツアーを開催しています。見学ツアーでは、館内を職員の解説付きで案内しています。所蔵資料の保存や利用提供のために、どのような業務を行っているのかということに関心のある人は、是非参加してみてください。

各ツアーの開催日時や申込み方法の詳細は、「国立公文書館見学(ツアー)のご案内」でお知らせしています。

バックヤードツアー(東京本館・つくば分館)
教育機関や民間企業、地方公共団体などを対象とした事前申込みによる館内ツアーです。大学のゼミやサークルなどの利用でも申し込めます。
ふらっとツアー(東京本館)
個人を対象とした事前申込み不要の館内ツアーです。毎月1回程度開催しています。

このほか、東京本館では、学生、教員など、参加対象を限定したツアーも開催しています。資料閲覧体験や書庫への入室、館の業務に関する講座などの特別な企画も行っています。こちらは事前申込みが必要ですので、詳しくは、「館主催見学ツアー」をご参照ください。

大学生のための国立公文書館見学ツアー。多くの公文書が保管されている書棚を大学生たちが見学している。

友の会の会員ツアー(東京本館)
国立公文書館友の会を対象とした館内ツアーです。

(※)友の会会員になると、展示会図録の送付や国立公文書館主催のイベントへの招待などの特典があります。詳しくは、「国立公文書館友の会」をご覧ください。

コラム②:人気の国立公文書館オリジナル商品

国立公文書館では、特別展の展示図録のほか、広く知られている歴史資料を図柄にした絵葉書や一筆箋などのオリジナル商品を作成し、販売しています。郵送販売も実施していますので、詳しくは、「ご利用案内(ショップ)」をご覧ください。

クリアファイル平成・令和セット(A4)

「平成」と「令和」の元号の墨書のクリアファイルの写真

4新たな国立公文書館に向けて

国立公文書館の各種の機能をより充実させ、また十分な書庫スペースを確保するなどのために、令和11年度(2029年度)末の開館に向けて新たな国立公文書館の整備が進められています。新たな国立公文書館は、国会議事堂の前庭に面した場所に整備され、外壁は国会議事堂と同じ色調の桜御影石を使用したデザインになる予定です。展示室は現在の東京本館の約5倍となり、気軽に立ち寄れるカフェやレストランも設置されます。
国会議事堂前庭という立地から、こどもや若い人も国会議事堂見学などの機会に併せて訪問しやすくなります。今後ますます、公文書を通じた歴史や国の仕組みを知るきっかけを提供していくための取組が進んでいきます。

新たな国立公文書館の外観イメージ

まとめ

国立公文書館は、国民共有の知的資源である歴史資料を所蔵し、我が国の過去・現在・未来を結ぶ重要な役割を果たしています。「興味のあるテーマについて調べたい」「歴史的資料を実際に見たい」というときなどに、是非利用してください。また、様々なテーマの展示会も開催していますので、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

(取材協力:独立行政法人国立公文書館 文責:政府広報オンライン)

 

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