ネット上の違法・有害情報は「インターネット・ホットラインセンター」へ通報を!
POINT
インターネットでウェブサイトを閲覧していると、SNS上でいわゆる「闇バイト」を募集する投稿や、覚醒剤や大麻などの規制薬物を販売する投稿、あるいは児童ポルノやわいせつ画像を公開しているサイトなど、期せずして違法・有害な情報にアクセスしてしまうことがあります。そんなときの通報先として、匿名での通報も可能な「インターネット・ホットラインセンター(IHC)」があります。
1インターネット・ホットラインセンター(IHC)とは?
近年、インターネット上には、児童ポルノ画像の公開や規制薬物の広告等の違法情報(インターネット上の流通が法令違反となる情報)や、犯罪を引き起こす原因となるなど公共の安全と秩序の維持に支障を来す情報が氾濫しており、深刻な社会問題となっています。このような違法・有害情報に対応するためには、広くインターネット利用者の協力を得て情報を収集することが効果的です。そこで設置されたのが「インターネット・ホットラインセンター(IHC=Internet Hotline Center)」です。
IHCでは、インターネット利用者などから違法・有害情報に関する通報を受け、都道府県警察への通報とサイト管理者などへの情報の削除依頼などを行っています。
また、より広く通報してもらえるよう、匿名での通報も受け付けています。通報したことがそのサイトの管理者に知られることもありません。気になる情報を見かけたときは、是非通報してください。
2違法・有害情報を通報する
通報は、IHCのウェブサイトの「通報フォーム」に違法・有害情報が掲載されたウェブページのURLなどを入力するだけで通報できます。通報の対象は、電子掲示板やウェブサイト、SNS上に掲載された不特定多数が閲覧できる状態の情報で、メールやSNSのダイレクトメッセージなど、特定の人しか見ることができない情報は対象外となります。
通報者の連絡先欄の入力は任意のため、匿名を希望する場合には入力不要です。また、「通報結果を見る」をクリックすれば、通報後に発行される「参照番号」を基に、通報の結果、どのような対応となったのかを確認することも可能です。
通報できる違法・有害情報とは?
IHCで通報を受け付けている情報は、インターネット上に流通することが法令違反となる「違法情報」、爆発物・銃砲の製造や殺人の請負といった個人の生命・身体に危害を加えるおそれのある犯罪に関連した「重要犯罪密接関連情報」、自殺の実行の手伝いを持ち掛けたり、集団自殺の呼び掛けをするといった「自殺誘引等情報」の3種類があります。詳しくは以下を参照してください。
- 違法情報
- 児童ポルノを含むわいせつな動画・画像
- 児童に対する売春や出会い系サイトなどへの誘引行為
- 薬物犯罪や規制薬物の濫用をあおる行為
- 規制薬物や指定薬物、危険ドラッグなどの広告
- 預貯金通帳や携帯電話の譲渡勧誘・誘引など振り込め詐欺に関連する情報
- フィッシング詐欺など不正アクセスに関連する情報
- 重要犯罪密接関連情報
- 次の行為を直接かつ明示的に請負、仲介、誘引等する行為
- 拳銃等の譲渡等
- 爆発物・銃砲等の製造
- 殺人、強盗、不同意性交等、放火、誘拐、傷害、逮捕・監禁、脅迫
- 臓器売買
- 人身売買
- 硫化水素ガスの製造
- ストーカー行為等
- 犯罪実行者の募集(いわゆる闇バイト)
- 自殺誘引等情報
- 自殺関与
- 自殺の誘引・勧誘
現代社会では、犯罪が多様化しており、インターネット上にも皆さんの安全を脅かしかねない新たな情報が次々と発信されています。そこで、IHCでは、関係機関と協議しながら、通報対象となる情報の範囲について継続的に検討しており、例えば令和5年(2023年)9月には、いわゆる「闇バイト」に関する情報をIHCの取扱対象に追加しています。
どんな内容の通報を受け付けてもらえるの?
IHCが受け付けることができる情報について主な事例を紹介します。
事例1:闇バイト募集と思われる投稿
「現金の受け取り」や「現金の引き出し」の実行者を高額報酬で募集するいわゆる闇バイトと思われる投稿を見た人が、「闇バイトの募集では?」と通報する場合
注:「出し子」は「だまし取ったキャッシュカードなどからお金を引き出す役割の人」、「受け子」は「お金をだまし取る相手から、現金やキャッシュカードなどを受け取る役割の人」、「叩き」は「強盗」を意味する。
事例2:違法ドラッグの販売と思われる投稿
隠語で記載された薬物の投稿を見た人が、「違法ドラッグでは?」と通報する場合
注:「ハイグレ」は「質が良い」、「野菜」は「大麻」、「罰」は「MDMA」、「手押し」は「直接会って受け渡し」を意味する。
事例3:自殺を勧誘する投稿
「一緒に自殺しませんか」と自殺志願者を募る投稿を見た人が通報する場合
通報された情報はどう処理されている?
令和5年(2023年)において、受理された通報は約40万件でした。このうち、33,200件が違法情報、約11,500件が有害情報と判断されています。違法情報の1割弱が日本国内のサイト管理者などの管理に係るものでありサイト管理者などへ削除依頼した結果、9割弱が削除されました。また重要犯罪密接関連情報については7割強が削除され、自殺誘引等情報については6割弱が削除されました※。
※通報前及び削除依頼前に削除が確認された件数を含む。
3通報するときの注意点は?
通報は、IHCサイトの通報フォームからのみ受け付けています。電話、FAX、メールでは受け付けていませんのでご注意ください。また、殺人・爆破予告・自殺予告など緊急な対応が必要な情報については110番通報してください。
まとめ
インターネット上には、日々膨大な量の情報が流通しており、違法・有害情報も氾濫しています。皆さんからお寄せいただいた情報が、事件の解決やインターネット上の違法・有害情報の削除など、社会の安全を守るための力となります。少しでも気になることがあったら、積極的にIHCに通報してください。
(取材協力:警察庁 文責:政府広報オンライン)