「こちらは電話リレーサービスです。」すぐに切らないで!聴覚などに困難がある人の電話をつなぐサービス

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手話でコミュニケーションする人と電話の受け手との間を通訳オペレータがつなぎ、電話リレーサービスで通話している様子

POINT

「こちらは電話リレーサービスです。」という電話を受けたことはありますか? 「電話リレーサービス」は、聴覚や発話に困難がある人(以下「きこえない人」といいます。)と、きこえる人との電話を、通訳オペレータがリアルタイムにつなぐサービスです。ただ、電話リレーサービスについての認知が進んでおらず、間違い電話と勘違いされたり、戸惑われてしまったりすることが起きています。電話リレーサービスについて、一層ご理解・ご協力をいただけるよう、このサービスの仕組みや、電話を受けたときに留意していただきたいことについてご紹介します。

1電話リレーサービスとは?

きこえない人ときこえる人を電話でつなぐ

「電話リレーサービス」は、きこえない人と、きこえる人との電話を、通訳オペレータがリアルタイムにつなぐサービスです。

手話でコミュニケーションする人と電話の受け手との間を通訳オペレータがつなぎ、電話リレーサービスで通話している様子

きこえない人は手話又は文字で通訳オペレータに伝え、通訳オペレータは伝えられた内容を音声で受け手側(きこえる人)につなぎます。その後受け手の発言を通訳オペレータは手話又は文字できこえない人に伝えます。電話リレーサービスは「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」に基づき、令和3年(2021年)7月1日から公共インフラとして開始されました。現在、登録者は1万5千人を超えています。

電話リレーサービスが公共インフラとして開始される以前は、きこえない人が電話を利用したい場合、家族や職場の同僚などに代理電話をお願いする必要などがありましたが、サービス開始後は、ご自身で24時間365日いつでも都合の良いタイミングで電話をかけたり受けたりできるようになりました

電話リレーサービスを利用するシーンとしては、仕事相手とのやり取り、病院やレストランなどの予約、離れた家族や友人との会話のほか、警察、消防などの緊急通報などに利用されています。

緊急で連絡を取る必要があるときや電話でのやりとりしか方法がないときでも、電話リレーサービスを利用すれば、リアルタイムに意思疎通を行うことができます。

電話リレーサービスのキャラクター「リレーちゃん」
電話リレーサービスのロゴ

その電話、切らないで!

電話リレーサービスの開始によって、きこえない人の連絡手段が増える一方で、社会における電話リレーサービスの認知度は低く、勧誘やいたずら電話などと誤認され、戸惑われたり、時には相手に通話を切られたりするケースがあります

例えば、きこえない人が電話リレーサービスを利用してレストランを予約しようとしたときに予約の電話だと認識されず「忙しい」などの理由で話を聞いてもらえなかったり、運転中に車をぶつけたときに電話リレーサービスを利用してロードサービスを依頼しても窓口の担当者が電話リレーサービスのことを知らず戸惑ってしまい、説明に時間を要したりといったケースが挙げられます。

電話リレーサービスは、通訳オペレータを介する性質上、やり取りにタイムラグが起きる場合がありますが、通常の電話と同じようにお話しください。きこえない人の自立した日常生活と社会生活の確保を実現するため、本サービスについて皆さんの理解を深めていただくことが重要です。

きこえない人からの電話を通訳オペレータを介し、レストラン、ロードサービス、ホテルが受けている様子

2電話リレーサービスの利用方法

電話リレーサービスを利用するためには、きこえない人は事前登録が必要となりますが、きこえる人には事前の利用登録や難しい作業などが発生することはありません。通常の電話と同じように着信があり、また発信することができます。

電話を受けるとき

電話リレーサービスからの電話を受ける方法と流れは、以下のとおりです。

STEP01着信

固定電話又は携帯電話に、通常の電話と同様に着信があります。

STEP02通訳オペレータからの案内

電話を受けると、通訳オペレータから「こちらは電話リレーサービスです。耳の聞こえないかたなどからのお電話を通訳しております。双方のお話を全て通訳いたします。」という案内があります。

STEP03通話

その後、通訳オペレータがきこえない人の手話や文字による発話を音声に通訳し、受け手側であるきこえる人に伝えます。きこえる人が話した内容は、通訳オペレータが文字や手話に通訳してきこえない人に伝えますので、いつもの通話と同じように応答してください。

STEP04終了

用件が済んだら、通常どおり電話を切ります。

なお、電話を受ける側には金銭的な負担が発生することはありません。また、通訳オペレータは通話内容をそのまま通訳します。代わりに交渉をしたり、用件を済ませたりすることはできません。

電話をかけるとき

きこえない人に電話をかける場合も、通常の電話と同様です。電話リレーサービスに登録している人は、IP電話と呼ばれる050から始まる11桁の電話リレーサービス専用の電話番号を保有しており、その番号に電話をかけると自動的に通訳オペレータにつながりますので、受けるときと同様に会話をしてください

発信者側はIP電話へ発信する際と同じ通話料金が適用されます。また、相手側(きこえない人)が応答しない場合でも、通訳オペレータとのやり取りの間は通話料金が発生します。

電話リレーサービスは、いつもの料金で使えます

3電話リレーサービスは法人利用ができます

職場における電話リレーサービスの法人登録により、その職場に勤めるきこえない人はきこえる人と同様に電話ができる環境を確保できるため、仕事の幅や活躍の場を広げることができます。

すでに職場で利用されているきこえない人からは「代理電話をお願いすることがなくなり、自分でやりとりできるようになって心理的負担が軽減した。」(地方自治体職員)、「保護者に緊急で連絡を取る必要があったため電話をかけたところすぐにつながり、無事に状況を伝え合うことができた。」(私立学校教員)、「相手の状況や雰囲気をつかみながら会話ができ、仕事のスピードが格段に速くなった。」(民間企業社員)などの感想が寄せられています。

まとめ

「こちらは電話リレーサービスです」という電話を受けたら、いつもどおりに通話を始めてください。電話リレーサービスはきこえない人の電話でのコミュニケーションや業務のやりとり、緊急時の速やかな連絡を担う重要なツールです。皆さんのご理解、ご協力をお願いいたします。

(取材協力:総務省 文責:政府広報オンライン)

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