消防団は何をするの?入団するには? あなたも地域を守るチカラになってみませんか。

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消火訓練でこどもに消火器の使い方を教える女性消防団員

POINT

地域の防災組織のリーダーである消防団。有事の際の消火などの活動以外にも、団員個人の強みをいかした活躍の機会が広がっており、近年では若い世代や女性の入団が増えています。また、消防団には自分のライフスタイルに合わせて活動できる環境や、入団することで得られる様々なメリットがあります。この記事では、「消防団って実際にはどんな活動をしているの?」「仕事との両立は?」「誘われたけれど、自分にできることがあるのかな?」「入団するとどんなメリットがあるの?」などの疑問に、分かりやすく答えます。

1消防団の活動について

消防団は地域の人によって構成される公的な消防機関

消防団は、法令に基づき、市町村に設置された公的な消防機関です。その地域の住民や、通学・通勤しているかたによって構成されており、一般的に18歳以上であれば誰でも消防団に入団することができます 。消防団員は、ふだんは会社員や学生、主婦として仕事や学業、家事に励みながら、火災などの発生時には現場に出動し、消防団と消防署が連携して地域の人々の安全を守るための活動などを行っています。

※地域により入団方法・資格等は異なりますので、詳細は各市町村の消防団担当窓口にお尋ねください。

女性や学生も活躍

消防団員数は全国的に減少傾向にありますが、女性消防団員や学生消防団員は年々増加しています。女性消防団員数は全国で約28,000人(令和5年(2023年)4月1日現在)となっており、消防団全体のうち8割近い消防団で女性消防団員が活躍しています。また、大学などでは学べない防災に関する知識や技術の習得、社会の一員としての経験を求める学生の入団も増加しており、次世代の担い手として学生消防団員の活躍が期待されています。

「女性消防団員数の推移」のグラフ。女性消防団員数は2014年の21,684人から2023年の27,954人と年々増加。女性消防団員数の全消防団員に占める割合は2014年の2.5%から2023年には3.7%に上昇。

資料:消防庁「令和5年版 消防白書」より政府広報室作成

「学生消防団員数の推移」のグラフ。学生消防団員数は、2014年の2,725人から2023年の6,562人に増加。

資料:消防庁「令和5年版 消防白書」より政府広報室作成

有事の活動にとどまらない幅広い活動内容

消防団は、有事の際には、いち早く駆けつけ、消火、救助、避難誘導といった活動に従事しています。令和6年能登半島地震においても、消防団は、自ら被災しながらも、地域住民の命と安全を守るべく、発災直後から住民への避難の呼びかけや、消防隊と連携した消火活動、倒壊家屋からの救助活動、避難所の運営などの懸命な活動を行いました。
また、平時においても、火災や風水害などの災害に備えるため、消防本部などと連携した消火訓練や応急手当訓練といった各種訓練を実施しているほか、地域の防災意識を高める普及啓発活動として保育園・幼稚園や学校での防災教育、地域住民への防火指導など、地域に密着した幅広い活動を行っています。
このように、地域に密着した消防団員は、地域のことをよく知り、災害時にはすぐに駆けつけることができる重要な存在であり、地域の防災力の中核として大変重要な役割を担っています。

ライフスタイルに合った活動や能力をいかした活動も

地域を支える消防団の活動に興味はあるけれど、仕事や家族の都合などで、全ての活動に参加することは難しいと感じるかたもいるでしょう。より多くのかたに地域を守る力となっていただけるよう、消防団には全ての活動に参加する「基本団員」のほかにも、特定の役割・活動にのみ参加することができる「機能別団員」「機能別分団」という制度があります。

ドローン隊の団員、バイク隊の団員

機能別団員の主な活動例

機能別団員の活動内容には、次のようなものがあります。

  • こどもたちを含む地域住民を対象に、応急処置やAEDの使い方などを指導する。
  • 消防の諸行事や地方自治体主催のイベントなどでのPR活動を行う。
  • 学生が学校などで学んだ知識や能力をいかし、広報や大規模災害時の支援活動を行う。
  • 消防団を引退したかたがOB団員として、豊富な経験をいかして、各種訓練や広報活動をサポートするほか、大規模災害への対応なども行う。

機能別分団の主な活動例

機能別分団は、特定の役割、活動を実施する分団として設置され、次のような活動をしています。

  • 女性のみで結成された女性消防分団で、防火広報活動を担当する。
  • バイク隊として、機動力をいかし、車が進入できない現場に出向いて被害状況の把握や物資の運搬などを行う。
  • 水上バイク隊として、浸水などの水害現場や水難事故救助などに出動する。
  • ドローン隊として、俯瞰的視点で被害状況の把握や行方不明者の捜索活動を行う。

上記のほか、大規模災害が発生した場合にのみ活動する分団などもあります。
年々、機能別団員の数は増えており、また機能別団員制度を導入する市町村も増加しています。
このように、消防団では自分が得意とすることや、興味のあることを軸にしながら、地域に貢献することもできます

2消防団の活動で得られるメリット!

消防団に入ると、地域への貢献以外にも様々なメリットがあります。ここでは、「消防団員として活動するメリット」についてお伝えします。

災害対応・防災・救急の知識や技術が身につきスキルアップできる

消防団員は、市町村が定めた訓練や研修を受けることとされています。火災の原因と予防や、燃焼・消火の理論を始め、安全管理の基本と実践、道路交通法の制度や地域内の交通事故発生などの現状について知る交通安全講習や救命技能講習など、災害や防災に関する幅広い知識を学ぶため、災害発生時だけでなく日常で起こりうる突発的な事故にも落ち着いて対応することができます。身近な人の命を救うための知識と技術が身に付いていることは、日常生活を過ごす上でも大きな自信になるでしょう。また、実際に消防団員が日常生活の中で、倒れている人を発見し、すぐに心臓マッサージなどの応急処置を行ったことにより一命をとりとめたといった事例もあります。

応急手当ての指導を受ける様子

地域との絆を深められる

消防団には幅広い年代、様々な職種のかたが集まっており、みなさん「自らの地域は自らで守る」という同じ志を持っています。そのためコミュニケーションも取りやすく、日常であまり触れ合う機会がない方々との交流は、自分の視野を広げることにもつながります。また、広報活動、イベント、講習会などに携わることで、地域の方々との絆を深めることができます。

学生は就職活動の「ガクチカ」に活用できる

「①学生消防団員として1年以上の活動実績を有する(現役の消防団員に限らない)」及び「②在学中又は大学等を卒業して3年以内」のかたに対して、そのかたからの申請に基づき、市町村長が「学生消防団活動認証証明書」を交付する「学生消防団活動認証制度」があります。
企業にとっては、社会貢献の実績があり、規律を身につけた人材を確保しやすい上、防災の知識や技術を持つ従業員がいることで企業の危機管理能力の向上につながるというメリットがあるため、学生はいわゆる「ガクチカ」(学生時代に力を入れたこと)としてアピールすることができます。

「学生消防団活動認証証明書」の交付を受けるための流れを表した図

企業にとってはCSR活動としてPRできる

現在活躍している消防団員の約7割は、企業で働いています。企業の協力がなければ地域防災体制を充実させることは難しいため、総務省消防庁では「消防団協力事業所表示制度」を設けています。
この制度は、特に消防団活動に協力的な事業所を消防庁又は市町村が「消防団協力事業所」に認定するというもので、消防団員である従業員が勤務中に消防団の活動で出動する際には特別休暇として取り扱うなど、消防団員が活動しやすい環境づくりに取り組んでいる事業所が対象となります。
「消防団協力事業所」に認定された事業所には、消防団協力事業所表示証が交付され、消防団活動への協力が社会貢献として認められます。また、CSR(企業の社会的責任)活動として自社ホームページなどにおいてPRすることができます。地域に密着した活動を行うため、顧客や従業員との絆の構築にも役立つでしょう。

消防団協力事業所表示証(シルバーマーク)、消防団協力事業所表示証(ゴールドマーク)

コラム:「消防団に入ってここがよかった!」女性消防団員の声

消防団員として活躍する女性の声をご紹介します。

  • 愛知県内の消防団に在籍中の女性

「消防の仕事への憧れと、いざというときに家族や周囲の人の命を救いたいという思いが入団のきっかけです。私の分団では、男女関係なく活動でき、仲間も増えました。特に啓発イベントやこども向けの活動などでは、女性ならではの視点がいかせます。地域のかたとの交流も深まりました。「ありがとう」と言われると、やりがいと誇りを感じます。」

  • 北海道内の消防団に在籍中の女性

「こどもの頃、友人の母が消防団員だったのを聞いてカッコイイと思い、大人になったら入団しようと考えていました。消防団の活動では重い物を持つこともありますが、男女関係なく十分活躍できます。団員それぞれが異なった職業を持ち、様々な分野に詳しいので、勉強になることも多く相談に乗ってもらうこともあります。火災出動時に良い動きができるよう、日頃から体を鍛えることで健康にも役立っています。」

3報酬と入団方法について

消防団員は特別職の地方公務員(非常勤)であり、年ごとに支給される報酬や、災害活動又は訓練に出動した際の報酬などが支給されます。万が一、消防団活動中にケガなどをした場合でも、「公務災害補償制度」で補償を受けることができます。さらに、5年以上務めた団員には勤務年数に応じた退職報償金が支給されます。

興味があるかたは、是非市町村の窓口に問合せを!

「消防団に入ってみたい」「どのような形で参加できるか相談してみたい」というかたは、是非お住まいの市町村や、通勤・通学している地域の窓口に問い合わせてください。一般的には18歳以上のかたであれば入団できますが、入団資格は市町村ごとに条例で定められており、活動内容も異なります。
総務省消防庁の消防団オフィシャルサイト内にある「あなたの街の消防団」から、各地域の消防団を管轄する市町村の担当窓口の連絡先が検索できますので、入団条件、活動内容、活動の頻度などについて確認してください。

まとめ

消防団は「いざという時に大切な人や自分の街を守れるようになりたい」という思いを形にし、安心安全な街づくりの中核を担う存在です。自身のライフスタイルや強みをいかした活動もできます。スキルアップを目指すかたや地域貢献に興味があるかたは、是非消防団への入団を検討してみませんか。

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